光触媒塗料とは…?
こんにちは!
グッドハート株式会社の前田です。
外壁塗装で使用される塗料は、主成分となる樹脂のグレードで耐久性が異なります。
しかし塗料にはグレードの違いだけでなく機能の違いもあり、
特殊な機能を持った塗料は「機能性塗料」と呼ばれます。
機能性塗料には
「無機塗料(無機ハイブリッド塗料)」
「セラミック塗料」
「ナノテク塗料」
「断熱塗料」
「遮熱塗料」
「弾性塗料」
などがありますが、その中でも特に高価で優れた機能を持つものが、
今回ご紹介する「光触媒塗料」です。
【光触媒塗料の特徴】
1,汚れが付きにくい(セルフクリーニング効果
光触媒塗料の最大の特徴は「セルフクリーニング機能(効果)」があることです。
光触媒塗料を塗った外壁では、二酸化チタンという物質が塗膜表面を覆うようになります。
この二酸化チタンは紫外線を浴びると活性酸素という物質を発生させます。
活性酸素は空気中の大気汚染物質(窒素酸化物NOx、硫黄酸化物SOx)を分解する力がある為、
光触媒塗料が塗装された外壁は排気ガスなどの汚れが分解されて塗料表面に蓄積されにくくなります。
また、光触媒塗料には親水性という雨水がくっつきやすい性質があります。
そのため活性酸素で分解された汚れは親水性塗膜に浮かび上がり、雨で洗い流されるようになります。
これがセルフクリーニング塗料のメカニズムです。
さらに光触媒塗料を塗った外壁は静電気を帯びにくくなるので、
静電気で付着する空気中の汚れや臭いが外壁につきにくくなる空気清浄効果や、
防藻・防カビ効果なども得ることができます。
もちろん、光触媒塗料で塗装した建物すべてが上記の効果を100%得られるとは限りません。
2,耐用年数が長い
光触媒塗料の耐用年数(耐久年数)は16~22年であり、
これは最も紫外線に対するダメージに強いと言われるフッ素塗料の耐用年数15~20とほぼ同等の数値です。
なお、紫外線のダメージに対抗する力のことを「耐候性」と呼びます。
ただし、耐用年数はあくまでもメーカーが「これぐらい持つように作りました」と提示している目安でしかありません。
そのため、施工する地域の気候や建物の立地が違えば、
全く異なる耐用年数になることは頭に入れておいた方がよいでしょう。
また、耐用年数が短い光触媒塗料も多く存在することに注意が必要です。
【光触媒塗料を使う前に注意したいこと】
1,絶対に汚れないというわけではない
光触媒塗料で塗装したからといって、外壁が永遠に汚れなくなるわけはありません。
光触媒塗料の防汚性能は「有機物分解機能」によるものですので、
雨だれやチリ、ホコリといった有機化合物由来の汚れは確かに付着しにくくなります。
しかし、
金属部分から流れてきたサビ
泥が飛びってついた汚れ
鳥のフン
白華現象(エフロレッセンス。コンクリート中にしみこんだ水分が蒸発する際に石灰などと一緒に溶け出てくる現象)
調理場近くのダクトの汚れ
といった、窒素化合物や硫黄化合物が含まれていない無機化合物には効果がありません。
2,立地によっては効果を発揮できない
光触媒塗料が効果を発揮するかどうかは、「紫外線量」と「雨量」に左右されます。
光触媒塗料は「太陽の光」に含まれる「紫外線」に反応して、汚れなどを分解する活性酸素を発生させます。
そのため曇っている日はもちろん日当たりが悪い場所でも、
紫外線さえ感じとることができれば光触媒の効果を発揮します。
しかし、隣の建物との間の距離が1m未満で常に日陰になっているような、
紫外線すら当たらない立地では光触媒塗料の効果を発揮しづらくなります。
また、せっかく光触媒作用で汚れを分解しても、
雨が当たりにくい立地では親水効果が発揮されず汚れが流れ落ちませんので注意が必要です。
3,屋根や一部の外壁に使用できない
光触媒塗料は現時点で屋根用タイプが販売されていません。
屋根は外壁よりもずっと光が当たりやすい箇所ですので、
塗装に使用する塗料も高い耐久性を必要とします。
仮に外壁のみ光触媒塗料で塗装し、屋根には機能性が付いていない一般屋根用塗料で塗装した場合、
外壁だけ長寿命になって屋根は外壁よりも早く再塗装が必要になり、
メンテナンスのタイミングがずれてしまいます。
すると足場代などの諸費用が外壁塗装と屋根塗装それぞれのタイミングで発生してしまい、
外壁と屋根をまとめて一回で塗装したときよりも工事費用は割高になってしまいます。
このような理由から、屋根と外壁に使用する塗料のグレードは揃えた方がよく、
もし外壁を光触媒塗料で塗装する場合は、
屋根も無機フッ素樹脂などのハイグレードな塗装を選ばなければなりません。
また、光触媒塗料は屋根以外にも木で出来た部分(木部)や石、
漆喰、樹脂などには使用不可となっています。
【まとめ】
光触媒塗料は高い機能と耐用年数を誇る最新の塗料ですが、
発売したばかりで施工例が少なく効果がはっきりしないというデメリットも抱えています。
そのためもし光触媒作用に興味があっても安易に選択せず、
実際に光触媒塗料で塗装した経験を持つ業者に相談し、
塗料の持続性や劣化状況などをよく確認することが大切です。
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